メッセンジャーRNAワクチンについてわかりやすくまとめました。

時事

新型コロナウィルスまん延から、既に2年が経過しようとしていますが、日本での生産ができない新型コロナウィルス向けのメッセンジャーRNAワクチンについて、誤った情報や、反ワクチン派の主張により、接種をためらう人が出ていたりと、正しい事が何なのかがわからなくなっているように思えます。

そんなメッセンジャーRNAワクチンについて、分かりやすくまとめてみました。
2022年2月現在は、3回目の接種が始まっています。正しい知識を基に、接種するかしないかを決めて欲しいと思います。

メッセンジャーRNAワクチンは2020年に実用化されたのか!?

新型コロナウィルスがまん延し出した2020年3月から、半年後には、既にワクチンが世の中に出回っていました。
その事から、陰謀論や、新型コロナウィルスは中国による自作自演などという誤情報がネットを駆け巡っています。

mRNAワクチンの歴史(出典:日経新聞) https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC21APO0R20C21A9000000/

この図で示されているように、研究は30年もの年月が費やされており、2020年の秋にいきなり世に送り出された訳ではありません。
そもそもは、がんの治療に役立てる為に臨床実験が行われ、現在もがん治療再生医療の分野で更なる進化を遂げています。

Covid-19 新型コロナウィルス用のワクチンとしての、メッセンジャーRNA技術の実用化は、2020年の下半期なので、そういう意味ではいきなり登場した謎のワクチンだという認識を持ってもおかしくないような気もします。

「mRNAワクチンは緊急性の高い状況でも速やかに作れる利点がある。しかし、このワクチン自体が急ごしらえの技術だと思ったら大きな間違いだ」と東京大学医科学研究所の石井健教授はメディアに述べられており、医療の分野で研究をしている方や、医療従事者からするとそもそもずっと近くにあった存在だったように思えます。

新型コロナウィルス発生から、わずか半年足らずで接種が始まった理由

2年前の事を思い出せば、新型コロナウィルスが発生し、緊急事態宣言発出により、社会全体が2ヶ月程止まりました。未知のウィルスが発生した事により、それ自身は仕方のない決断だったように思いますが、それから何ヶ月もしない内に、海外ではワクチン接種が始まりました。

そもそもどういうウィルスかも分からないし、罹患するとどういう症状になるかすら分かっていないのに、何故いきなり人体にワクチンを打つんだ!という意見が聞こえてきますが、個人的に、それはその通りだと思っています。

しかし、メッセンジャーRNA自体は、前述したように、突然出てきた技術ではなく、長い年月をかけて臨床実験を繰り返してきた技術です。
それに、mRNAワクチンは緊急性の高い状況でも速やかに作れる利点があるのは医師の言う通りだと思います。

故に、この世界的感染症に立ち向かうには、生ワクチンや不活化ワクチンでもなく、メッセンジャーRNAワクチンしかなかったというのが答えだと思います。

たった一年でワクチンが普及した理由は、それまでに多くの時間をかけて実験がなされており、実用化の一歩手前まできていた事と、それに付随して関わっていた医師や研究者の努力に他ならないと思います。日本では、賛否両論があるワクチン接種ですが、多くの方の安心を生み出した点においては、研究者に賛辞を送るべきだと思います。

日本産のワクチン実用化はいつ?

新型コロナウィルスの開発状況について 参照 厚生労働省 URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00223.html

2022年2月現在、多くの日本企業が果敢にチャレンジを続けています。国産ワクチンができると、多くの日本人にとっては朗報だと思います。海外製はちょっと・・・と感じていた人も接種してみようかなとなるかも知れません。

しかしながら、個人的には国産ワクチンや治療薬が実用化されるには、まだまだ時間がかかると予測しております。
日本は、バブル崩壊後に経済危機を迎え、あらゆる支出を徹底的に抑止してきました。

私達に関連している所では、給与が約30年間ほぼ横ばいです。
さらに各企業は資金を企業内に留めておき、設備投資にもそれほど支出してきていません。

世界的な発明だと言われた発光ダイオードですら、対価として支払われたのはたったの2万円でした。
(後の裁判で8億4000万円で和解済み)

日本の企業文化として、お金はかけずに成果は全て貰っていくという事がほぼ当たり前になっており、このような文化が横行してしまうと、まともに研究しても損をするだけです。

優秀な人材はほぼ海外へ渡っていますので、残念ながら、国産ワクチンが実用化されるにはまだまだ時間がかかるように思えます。

いつになったら収束するのか!?

スペイン風邪流行時

誰にも分かりませんが、海外では経口薬が既に実用化されています。

これはかなりの希望だと言えるでしょう。


米大手の企業のファイザーが開発した経口薬「パクスロビド」は、細胞内でウイルスが増殖するのを抑える薬で、発症3日以内の患者を対象とした臨床試験では、入院・死亡リスクを89%減らす効果が確認された。承認されれば、重症化リスクが高い軽症~中等症患者が対象となる見通し。変異株「オミクロン株」にも有効である可能性が高いとされる一方、不整脈や高血圧などの一部の薬とは併用できず、処方には注意が必要となる。
※読売オンライン https://www.yomiuri.co.jp/medical/20220201-OYT1T50267/

今後、新たな変異株は出ると思います。弱毒化が先なのか、新薬の開発が先なのかは誰にも分かりません。

よく比較対象に挙がるスペイン風邪は、およそ3年後に収束していますが、何故収束したのかは未だに解明されていません。

新型コロナウィルスについても、いつかは収束するんだとは思いますが、それが2022年か?と言われると少し難しいのではないかと思います。(あくまで個人的な感想です。)

まとめ

新型コロナウィルスまん延から、2年が経過しようとしています。
日本においては、初期に比べると、人々の意識としては、Withコロナが浸透してきたように思えます。

一方で、インターネットの発達により、誤った情報しか信じずに、陰謀論に走る人も少なくありません。

私の親友も陰謀論に走った一人で、私がワクチン接種をする事を伝えた所、「5年後に死ぬから絶対打つな!」と真顔で言われました・・。仮に私が5年後に死ぬのであれば、医療従事者も全員先に亡くなりますので、結局誰も助からない現実が待っています。

話しが脱線してしまいましたが、今回の記事では、メッセンジャーRNAワクチンが極端に早くできたものではなく、然るべき研究者の方々が時間をかけて熟成させてきた技術である事をお伝えしてきました。

体に打つものですから、個人がしっかりと知識を付ける事は大切だと思います。
しかし、誤った情報を集めるのではなく、しっかりとしたエビデンスを示してあるデータを参考に知見を深めて欲しいと願うばかりです。

当サイトが少しでもお役に立てれば幸いです。

※ワクチンを打つ打たないは個人の自由だと思っていますが、それが医療側の意見に立った時に、正しいと言えるかどうかは一個人が判断するものではないと感じております。国が示した指針に照らして、良識ある判断をしていくしかないと思っております。

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